『医薬分業の光と影』を読んだ感想。編

未分類





いつだったか、Twitterで『医薬分業の光と影』という本を目にし、薬局業界関係者必読!というよくあるオビにつられて速攻Amazonでポチった。







著者は玉田慎二さんという業界紙記者。

1990年代初頭から医薬分業を追いかけるマニアックな記者さん。



この本は2020年7月発売で
分業元年である1974年から新型コロナウイルスが騒がれた始めたごく最近のことまでが書かれている。



『医薬分業の光と影』と言いつつも、
割合的には\影影影影影影影光/といった感じだった。

うん、それは予想通り。



おそらくこの本は、日本薬剤師会・日本医師会・官僚のドロドロした攻防の歴史(サブタイトルの通りインサイドストーリー)を読んで楽しむものなんだろうが、いかんせん私には登場人物についての知識がなさすぎた。

藤井基之さんと最後にちょろっと出てくる本田顕子さんと、山本会長しか知らなかった。あ、児玉元会長も母校の学長だったっけな。



序章から耳の痛い話ばっかりだった。

・分業に見合った費用対効果を感じられない
・薬剤師会の危機意識が薄い
・分業のメリットを見せる努力が見られないなど。

薬剤師バッシングには慣れていると言えども、心の中で反論して自分の仕事を正当化しないと読んでいられなかった。



医師や看護師と違って、薬剤師の仕事は目に見えない。

手術でガンをとることも点滴の針を刺すこともできない。
正しい薬を患者さんに持ち帰ってもらう”という当たり前の日常こそが薬剤師が仕事をした結果なのだ。



調剤報酬改定には必ず医師会が立ちはだかってくる。

1974年の処方料の大幅引き上げ、1992年の薬価差益の縮小。
そもそも医師側が吊られたニンジンに先に食いついたのに、分業バブルに食いついた薬剤師をあざ笑う意味が分からない。

それまで医師の懐に入っていた薬価差益を置き換えたものが現在の「調剤料」であるというのは初めて知った。薬剤師の私がこんなことを言うと怒られるかもしれないが、「調剤料」という点数が一番の疑問だった。



また、「薬剤服用歴管理指導料」はかつて一部の薬剤師が無償で行っていたOTC購入後の体調確認に対してできた点数。これは薬剤師の仕事の代名詞でもあり、大事にしなければいけないと思った。



私の持論だが、分業に反対しているのは古い医師だけで、薬剤師と一緒に仕事をするのが当たり前・薬に迷ったら薬剤師に相談するのが当たり前の次世代の医師が開業する時代になったら、分業バッシングも落ち着くと思っている。

(これ以上調剤薬局の不祥事がなければ)



そして今話題の薬機法改正。

2020年9月1日、薬剤師による”薬剤交付後のフォローアップ”が規定された。
「薬剤師の当たり前の業務を法制化するなんて侮辱だ!」という意見をTwitterでよく目にした。私も余計な規定を作ってくれたもんだと思っていたが、これは”当たり前の業務をしなかった時に処分ができる”という行政側の意図であり、いわば薬歴未記載問題の連帯責任だと理解した。



まぁ、当たり前のことに点数をつけるという意味で私が一番笑ったのは診療報酬の「小児の風邪に抗菌薬を出さなかったら80点」だが。



最後の章に出てきた医薬分業の光が下の2点。

★「日本薬剤師会」「日本チェーンドラッグストア協会」「日本保険薬局協会」がやっと仲良くなった。
★今年日本薬剤師会の専務理事に就任した磯部さんという方が剛腕エースだということ。



薬剤師同士でケンカしたり、不祥事を起こしたりしてる場合じゃないよねホント。そういう意味では上部層の人達も危機感がなさすぎる。



そういえば今私は、実習生受入れ目前ということで調剤指針を読み直している。





大事なことは最初の1ページ目に書かれていた。

薬剤師の仕事は薬剤の個別最適化なのだ。





やっぱり薬剤師じゃないと出来ないと思う。

看護師には配薬なんかじゃなくて、もっと看護師にしか出来ない仕事に時間をさいて欲しいし、薬剤師はAIが発達したらいなくなるとか言う人もいるけど、夕食後の薬だけ胃ろうとか(実際にいる)、錠剤は飲めるけどカプセルは飲めないとか、眠剤だけ日付印字の一包化しないとモメるとか、そんなのAIにはわからないだろう。



私の母が医薬分業のハシリ世代だった。分業に人生をかけた人を見ているから、院内に戻すなんて絶対したくない。薬剤師の未来がひらけるように、微力ながらも田舎で地に足ついて頑張ろうと思った。



おわり。



コメント

タイトルとURLをコピーしました