アトピーとステロイド。編

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数日前Twitterで”ステロイド“がトレンド入りしていた。

何かと思えば河野大臣のツイートがことの発端らしい。



このツイートに医療関係者やアトピー経験者からたくさんの意見が集まっていた。大半は「よく言ってくれた!」という賛同意見だ。



ステロイドの塗り薬には、かゆみや炎症を抑える作用があり(作用機序は割愛する)、アトピー性皮膚炎には標準治療として処方される。

ステロイドと聞くだけで拒否反応を示す人もいるが、ステロイド剤とは元々ヒトの体内で作られているホルモンを製剤化したものなので恐怖感を抱かないで欲しい。



強さのランク





塗り薬のステロイドは強さによって5種類のランクにわかれており、これは塗る場所の皮膚の厚さ症状によって使い分ける。

・手足や胴体 → strongから上のランク

・首、顔、陰部等の皮膚が薄い場所 → mediumから下のランク

・まだ皮膚の薄い乳幼児 → mediumから下のランク

ステロイド外用剤| 大田区大森の大木皮膚科

だから、手足の湿疹にアンテベート(very strong)が処方されても、「そんなにひどくないのに強いステロイドを出された!」と思わないで欲しい。



商品名入りの強さ一覧表が気になる人はこちらを↓

沖縄県薬剤師会HP http://www.okiyaku.or.jp/datafile/steroid/steroid.html



副作用に関する疑問





◆皮膚が黒くなるの?

色素沈着するのは掻きむしるからであって、ステロイドを塗ったせいではないと言われている。また、炎症が収まる過程で皮膚は黒ずんで剥がれ落ちるので、黒ずんできたら治る途中と認識して欲しい。


◆皮膚が薄くなるの?

ステロイドには細胞増生を抑える作用があるので理論的には菲薄化するが、必要以上に強いステロイドを使用しなければ基本的には大丈夫。



◆皮膚から吸収されて体内に入るの?

顔や陰部など皮膚の薄いところはやはり吸収率が高い。だから強さを使い分けるのだ。たとえ体内に吸収されてもちゃんと排泄されるので、strongクラスで月300gを超えなければ全身的副作用は出ないとされている。

肌のバリア機能が失われた状態だと体内に吸収されやすいのだが、アトピー程度ではそこまで血中濃度は上がらない。ネザートン症候群などの角層剥離が著しい難病の場合は注意が必要。



軟膏とクリーム





どちらがよく効くとは一概には言えない。

日本では元々、軟膏の方が安定するため原則ファーストチョイスだったらしいが、クリームの方がベタつきが少ないため好まれている印象だ。



掻き壊しがあれば刺激の少ない軟膏を使うのが鉄則。



塗る量





FTUという考え方が主流だ。

1FTU=2Hands(1フィンガーチップユニット=2ハンズ)とは、大人の人差し指の第一関節まで薬を押し出した量(約0.5g)で、手のひら2枚分が塗れる量という目安。

第一三共ヘルスケアHPより


イラスト内にもしれっと書いてあるが、これは25gチューブの場合だ。だから、ヒルドイドならいいがステロイドによくある10gチューブだと少ないだろう。


”ステロイドはうすく塗る”と指導していた時代もあったが、今は十分量塗るというのが鉄則だ。目安としては塗り終わった場所にティッシュが張り付くぐらい。

実際に上記の量を塗ってみたが、正直ベッタベタだ。スマホなんて到底触れやしない。患者さんたちは実は下着の洗濯とか大変なのかもしれない。



保湿剤とステロイドの順番





保湿剤を先に塗り、ステロイドを上から重ねる。

ステロイドの上から別のものを塗ると、ステロイドが塗り広げられてしまうからだ。



市販薬





意外に思うかもしれないが、ステロイドの塗り薬は市販されている。

湿疹、軽度のやけど、かゆみに是非薬局で相談して欲しい。市販のステロイド外用剤の使用期間は2週間以内とし、改善されない場合は医療機関を受診するように。

Mediumランク
Mediumランクのステロイド配合




リバウンド





ステロイドユーザーの中ではステロイドをやめて症状がぶり返すことをリバウンドと言うそう。しかし、外用薬でのリバウンドというのは少々考えにくい。日本アトピー協会はステロイド外用薬でのリバウンドを完全に否定しており、”患者自身の外用薬の使用中止による治療放棄だ”とまで言っている。



日本アトピー協会 http://www.nihonatopy.join-us.jp/padyna/chiryo/steroidprotopic.html

(わりと強気のHPだ)





とにかく、自己判断で急にやめないこと。



さいごに





私も実際患者さんに「以前ステロイドを使っていいことがなかったから薬を変えて欲しい」と言われたことがある。もちろん万人にあう薬なんてないから、そんな時は医師と相談して別の治療をすればいいと思う。



別の記事でも書いたが、ステロイドの何がすごいって安価で効果大なのだ。処方された場合は一度使ってみて、あわなければ別の治療を考えればいいと思う。



参考:

田辺三菱製薬株式会社 https://hc.mt-pharma.co.jp/hifunokoto/selfmedication/182

 maruho https://www.maruho.co.jp/kanja/atopic/suitable/medication.html



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